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和食派の家庭の食卓では、海苔の佃煮とか塩昆布、山椒の実や葉唐辛子、ちりめんじゃこの炊いたものなどの副菜が重宝されます。こうした常備菜の1つとして欠かせない存在なのが「梅干」です。
梅干の特長は、何といっても長期間、保存のきく食品であること。他の保存食が賞味期限が切れて品質が落ちても、この梅干だけは元気。冷蔵庫への出し入れなどの心遣いも不要。梅干壺のなかで年々と滋味を増していくという、不思議な「力(りき)」を持った伝統食品です。
梅干が渡来したのは8世紀半ば、はじめは実を燻製にした「烏梅(うばい)」で、熱さまし、咳止め、吐き止めなどに用いられていたようです。
紫蘇を使った加工法が伝えられたのは、禅僧の往来や貿易が盛んになった室町時代ではないかといわれ、当時の日記類には「梅干」や「梅法師」などの文字が散見できます。
梅法師の「法師」とは僧のこと。禅僧は種々の精進料理を中国から持ち帰りましたが、梅干もそのなかの1点だったかも。お茶請けや正食時の菜、いわゆる点心として梅干を常食した僧、その僧を梅干の丸い形から、室町期の人たちは梅法師の文字を当てたのでしょう。 |