| 今日はずいぶんとバスが混む。何ごとだろうと、満員の乗客のうしろに続き、降りてみると天神さんの前だった。降りたついでに、市(いち)の雑踏のなかを歩いてみる。
門前や境内のまわりは、屋台と店と人がごったがえして騒がしい。客と主(あるじ)たちのやりとりは見ているだけで楽しい。「まけてちょうだい」と参加する。本日の戦果は黄瀬戸の大皿1枚と、はったい粉1袋なり。
はったい粉は、米または麥(むぎ)の新殻を炒って粉にしたもの。麦焦がし、炒粉または香煎ともいう。豊臣秀吉が北野の大茶湯で「茶を持たぬものは、はったいでもよい」と布告したのがこれ。 食べ方は2通り、乾いた粉には白砂糖を混ぜて。お茶でこねるときは、黒砂糖か赤砂糖が合う。乾いた粉のまま食べるときは、むせないように要注意。スプーンを口に運ぶと、記憶の底にあるなつかしい味がした。 |